急行も止まらないローカル駅周辺の、さして広くもないエリア。そこに50店近くの美容院が競合しあって、「何故やっていける」のでしょうか?
いわく「江古田は美容業界の修験場になっている」。
いわく「江古田住人は髪の伸びが異様に速い」。
わたし/catには、理由はわかりません。
とりあえず、手がかりになるかもしれないデータなどを、いくつか並べてみようと思います。
区の公式サイトによると、練馬区の面積と人口は以下のとおりです。(2002年1月1日現在)
最新データにつきましては、練馬区公式サイトの「練馬区のあらまし」をご覧ください。
面積
48.16km2(東西約10km・南北4〜7kmのほぼ長方形)
人口
全体:668,842人(男女別集計には、外国籍者:11,465人は含まれていません。)
男性:327,636人
女性:329,741人
人口密度
13,888人/km2
ところで、練馬区全体では、約620店の美容院があるようです。ということは...
練馬区の美容院全体に対する、江古田の美容院(47店)の比率
7.58%
区の面積に対する美容院密度
12.87店/km2
江古田の美容院密度
47店/km2(半径500M圏を、1辺1km四方の単位面積に置き換えた。店舗数に増減はない。)
練馬区全体の美容院密度の3.65倍
江古田の美容院1店あたりの利用者数
122.63人
江古田の美容院の1日あたりの利用者数
4.09人/day
客単価7500円の場合の総売上
919.725円/month
以上、まったく役に立たない単純計算でした。
そもそも、すべての前提が乱暴かつ根拠薄弱なんですが、あくまで「ネタ」ということでお許しください。
付記
本稿作成後、江古田の美容院がさらに増殖しました。が、計算のやり直しがメンドクサイので、47店舗のままでデータを掲出しておきます。(2002年3月記)
この2〜3年をみても、何らかの理由から撤退する店はありましたが、それを上回る出店がなされています。
ということは、江古田が「美容院の街」として業界から認知され期待される要素が、どこかにあるのだと思われます。
わたし/catは、美容業界の人間ではありませんし、マーケティングの世界の人間でもありません。また、江古田の各商店街とも無関係の人間です。
ですから、どんな要素・側面が評価されて、江古田に出店する価値があると見なされているのか、まったくわかりません。
ただ、素人は素人なりに、マーケティングの視点から検討すべきポイントがあることは理解できます。
以下、思いつくままに列記してみます。
考慮すべき点は、この他にもたくさんあります。
あ〜、ここまでくると、わたし/cat の手にあまります。
ひとついえることは、これだけの美容院が競合し併存できているのは、各店の努力と技術力の結果であろうということです。
上述のデータから考えても、徒歩10分圏外からのお客さんがいなければ経営はなりたちません。ということは、他地域に居住する人たちが、江古田の店の噂を聞いてやってきて、そして定着しているのでしょう。
この不景気の中、どのお店もキビシイでしょうが、「頑張れ! 江古田の美容院」。
注:↑とか書いている わたし/cat は、江古田の美容院を利用していません。(おいおい)
このページには、いつの日か、マーケティング論あるいは経済地理学の論文が掲載されることになるかもしれません。
わたし/catでも立派な論文が書けるような、皆さまからの有益な情報・ご意見をお待ちしております。